キース・ファリス
9年前に初めて出会った頃の妻ジョイは(当時彼女は19歳だったが)、深刻な喘息や「僧帽弁逸脱症」という心臓疾患など、健康上のさまざまな問題を抱えていた。出会って間もなく、初めていっしょにクリスマスを迎えたが、このときに撮った写真が、彼女を健康な生活に目覚めさせ、その後の人生を変えたといえる。 最終的には妻は30ポンド(13.6kg)の減量に成功した。彼女自身、やせすぎではないかといっていた時期もあったくらいだ。今となっては、この理由ははっきりしている。ウエイト・トレーニングを行っていなかったのだ。目標としていた100ポンド(45.4kg)の体重に到達しようとして、ジョイは脂肪だけでなく、筋肉も落としてしまっていた。当時子どもをもうけようとしていた我々に、医師さえも、あと数kgは体重を増やしたほうがよいといった。そして、その言葉どおり体重を5ポンド(2.3kg)増やすと、ジョイはすぐに妊娠した。 1992年4月に帝王切開で娘を産んでから、ジョイは運動を再開し、数カ月で妊娠前のシェイプを取り戻した。体重は110ポンド(49.9kg)前後だった。この1年後、彼女は再び妊娠した。今度はあまり食事に気を使わなかったので、体重が42ポンド(19kg)増えてしまった。 1994年9月に2番目の子ども(男の子)が生まれたが、このあとの減量は以前よりも大変だった。だが彼女はトレーニングを定期的に続け、無茶な減量には走らなかった。この頃になると、彼女は体重管理を生活の一部と考えていて、解決を急ぐことはなかった。こうして体重は確実に減っていったが、今から約1年前、118ポンド(53.5kg)になったところで壁につき当たり、それからは減量が進まないようだった。 ウエイト・トレーニングとの出会い ちょうど同じ頃、私もついに、体を鍛えるなら今すぐ始めるしかないという思いを固めていた。それまでは体づくりを始められない言い訳ばかりをしていた。スポーツ万能の細身の体、というと聞こえがいいが、実際はガリガリの体だった。身長は191cmもあるのに、なんと体重は148ポンド(67.1kg)しかなく、1982年に高校を卒業したときからまったく変わっていなかった。代謝が非常に活発で、何をしようと、何を食べようと、体重はまったく増えなかったのだ。 私は自宅でウエイト・トレーニングを始めようと決心した。私のやる気を高めようと、ジョイは『マッスル&フィットネス』誌を買ってきてくれた。彼女はそれまで女性のフィットネス雑誌は読んでいたが、『マッスル&フィットネス』誌を手にするのは初めてだったという。男性が読む雑誌だと思い、大きな体をした男たちのワークアウト・ルーティンや写真を見て、私が発奮すると考えたのだ。 ウエイト・トレーニングの効果の素晴らしさを知ったのはまもなくだった。私はこの「男性のための雑誌」に女子フィットネス選手の記事が掲載されているのを見て、ジョイにもウエイト・トレーニングを勧めてみた。ウエイト・トレーニングと並行して栄養摂取を改善したら、減量の壁を突破できるのではないかと考えたのだ。だが、おそらく女性の多くがそうであるように、ジョイも最初はウエイト・トレーニングに気が進まなかったようだ。大きな筋肉がついて男性のような体になるのではないかと誤解したのだ。そこで私は、フィットネス競技選手たちの記事や写真を見るように説き続けた。テレビで放映されたフィットネス競技の番組もいっしょに見た。そしてまもなく、彼女はウエイト・トレーニングの魅力に完全に“はまってしまう”ことになったのだ。 ジョイはダンベルを購入し、自宅でコリー・エバーソンのビデオを見ながらトレーニングを始めた。それから数カ月の間に体が大きく変化したことで、ウエイト・トレーニングの効果を彼女は完全に信じるようになった。私たちの生活も変わっていった。今では彼女も、私と同じくらい熱心に『マッスル&フィットネス』誌を読んでいる。実際、2冊購読したほうがよいと思っているくらいだ。2人とも、いつも同じときに読みたくなるからだ。 フィットネス家族 半年前、ついに私たちはフィットネス・クラブに入会した。2人いっしょにウエイト・トレーニングができるように、託児所つきの施設を選んだ。栄養摂取を管理し、ウエイト・トレーニングを続けるバランスのとれた生活を送ろうと、2人とも真剣だった。今でもジョイは週4回、朝4時半に起きてエクササイズを行っている。自宅のトレッドミルで8kmのウォーキングかランニングに、ステップ・エアロビクスを組み合せて交互に行っている。 ウエイト・トレーニングは2人いっしょに週4日、毎回1時間程度行っている。月曜日は胸と背中、水曜日は肩と僧帽筋、木曜日は上腕二頭筋と上腕三頭筋、土曜日は脚を鍛えている。腹筋のトレーニングは週に2〜3日行っている。2人とも『マッスル&フィットネス』誌を参考にして、具体的な目標に合わせた栄養摂取プログラムをつくっている。私のプログラムは「高カロリー摂取・筋量増加プラン」で、ジョイは「体脂肪減少・筋肉増加プラン」だ。 新しいプログラムに切り換えてから2〜3カ月間で、ジョイも私も大きな進歩をした。8年前結婚したときよりも彼女はきれいになった。結婚当時と同じ体重(約109ポンド=49.4kg)だが、体脂肪が筋肉に変わったことが何よりも大きかった。彼女は以前よりもエネルギーにあふれ、自信がつき、はるかに健康になった。フィットネス・クラブの人たちからもいつもほめられている。ジョイの存在がジムに通う励みになっているという人まで現れた。 昨年私は、30ポンド(13.6kg)の筋肉をつけることができた。現在の体重は181 ポンド(82.1kg)、体脂肪率は9%を切っている。これまでで最高の体、最高の気分で毎日を過ごしている。 家族や友人のなかにはジョイと私の成果に感動して、運動と栄養摂取のプログラムをつくってほしいと頼んできた人もいる。ジョイはこれに大喜びで応じ、今ではフィットネス・トレーナーになるための勉強をしている。 夫婦2人ともが楽しめるものをいっしょに行えることは大きな喜びだ。素晴らしい結婚生活がさらに充実したものになった。そして、自分たちのライフスタイルが子どもたちにもよい影響を与えていることもうれしい。健康的な食生活、エクササイズの手本にふだんから触れていることによって、より健康的で活動的な日々を子どもたちも送っている。もうすでに、「パパとママのように」トレーニングをする真似までするようになった。こうしたことが将来、彼らが自分に対する自信、よい自己イメージをつくり上げる基礎になるはずだ。ジョイと私は、ウエイト・トレーニングは単に体型をよくするだけでなく、健康や体力、精神面も向上させるものだと信じている。このような親をもつ子どもは、健康で充実した生活を送るという点で、人よりもすでに一歩先んじたスタートを切っているのだ。
ウエイト・トレーニングは体型をよくするだけでなく、 |
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